日米韓3か国の安全保障協力を重視し北朝鮮に厳しく臨んだユン・ソンニョル前政権の任期中、反発する北朝鮮側の強硬姿勢の前に南北関係は冷え込んだ。北朝鮮はおととし4月に南北連絡ルートを一方的に遮断し、去年1月にキム・ジョンウン総書記が演説で韓国は敵対国だと憲法に明記するよう指示した。去年10月には、韓国とつながる鉄道と道路の一部区間を爆破した。イ・ジェミョン大統領は南北関係の改善に重ねて意欲を示していて、融和姿勢を打ち出している。韓国政府は先月11日、大音量スピーカーを使った北朝鮮向けの宣伝放送を停止し、民間団体に風船でビラを飛ばさないように要請した。イ大統領は先月、統一相にチョン・ドンヨン氏、国家情報院長にイ・ジョンソク氏を任免・起用した。北朝鮮側も韓国向けの騒音放送を直ちに停止。韓国政府は今年3月・5月に韓国側の海上で漂流し北朝鮮住民6人を救助した。北朝鮮側に送還した際、北朝鮮は境界線付近に警備艇を待機させた。北朝鮮がイ政権の本気度を見極めるうえで注視しているとみられるのが、ユン前政権の疑惑をめぐる捜査の行方。