6年前、口コミで全国に人気が拡大し大ヒットを記録した「カメラを止めるな!」。その再来とも言われているのがSF時代劇「侍タイムスリッパー」。先月、上映館が1つだけだったのがSNSで人気が拡大、約1か月で全国139の映画館で上映が決定。さらに海外の映画賞も受賞する快挙も。その魅力は時代劇・SF・コメディーが融合したストーリー。映画の主人公は幕末の侍・高坂新左衛門。ある日、落雷によりタイムスリップ。やってきたのは現代の時代劇撮影所。本物の侍の登場に時代劇スタッフは騒然とする。その後、宛てもなく彷徨う新左衛門。生きるために始めたのが時代劇の斬られ役。日々主役級の俳優に斬られまくる新左衛門が現代で行きていく姿を描いた物語。実は今回の映画は時代劇では通常2億円以上かかる製作費を約10分の1の2,600万円で実現。どのように抑えたのか。メガホンをとった安田淳一監督は「撮影所の職人の皆さんの人情があって企画がスタートできた」と語る。実は映画の脚本を呼んだ京都の時代劇撮影所スタッフが全面協力を申し出、撮影所があいている真夏に撮影。さらに映画の中でヒロインを演じた女性がそのまま現場の助監督を務めるなど、製作費をとことん切り詰め本格的な時代劇シーンを完成させた。安田監督の本業は米農家だそうで、製作費のうち1,500万円は監督の貯金から出ているという。