台湾の先住民族と日本のアイヌの人たちとの交流について。台湾には人口の2%余、約59万人の先住民族が暮らしている。台湾の先住民族の人たちを北海道様似町のアイヌの人たちが訪ねた。アイヌは明治以降長い間差別や貧困に苦しんだ。アイヌ語や伝統的な風習は急速に失われ、アイヌの人たちからは先住民族としての権利回復が不十分との声もある。そのアイヌの人たちと台湾のブヌン族との交流会が行われた。台湾では子どもの頃から学校で民族の言葉を学び、歌や踊りを披露する機会も多いという。一行は台北にある先住民族向けの放送局も訪ねた。先住民族の言葉を使う番組が半分以上を占め、子ども向けの語学講座やニュースも放送しているという。台湾には先住民族の教育・福祉を専門とする行政機関もある。アイヌの人たちと大臣に相当する主任委員と対話の機会が設けられた。アイヌの人たちからは「いじめを受けることはあったか」といった質問がなされ、主任委員は「ここ10~20年で台湾の民族多様性の考え方は進歩している」と変化を強調した。今回の交流を主催したスクルマンさんは、「違う民族と出会うことが大事。これからもその懸け橋になれたら」などと話した。