きょうの東京外国為替市場は、先週末のニューヨーク市場で円安ドル高が進んだ流れを引き継いで、午前9時ごろに1ドル159円94銭まで円安が進んだ。これは先週末に発表された米国の企業の購買担当者の景況感を示す経済指標が市場の予想を上回ったことで、米国経済は堅調で、FRBが利下げを急がないとの見方が広がったためである。鈴木財務大臣は、市場の動きをけん制した。また財務省・神田財務官は、記者団から市場介入の準備状況を問われたのに対し「24時間いつでも準備できるようにしている」などと話した。こうした中、日銀は今月の金融政策決定会合の主な意見を公表した。次の焦点となっている追加の利上げを巡って「遅きに失することなく、金利を引き上げるべきだ」という意見があった一方、慎重な見方も出ていたことが分かった。これについて市場関係者は「為替市場への影響は限定的だった。鈴木財務大臣や神田財務官による市場の動きをけん制する発言も大きな材料にはなっていない。市場では1ドル160円の水準が心理的な節目として意識されていて、神経質な取り引きが続いている」と話している。