中村萬平さんの作品霜子は妻を描いた油絵は暗がりのなかで片膝をたてた裸の女性がじっとこちらを見つめている。絵の具が剥落してしまっているが力強い絵で、中村さんは東京美術学校在学中に霜子さんと結婚した。妻が見つめているのは描いている夫で、この時お腹には赤ちゃんが宿っていたという。しかし中村さんは産まれてくる我が子を見ぬまま出征。やがて長男が産まれ、妻は戦地にいる夫へ赤ちゃんが生まれたことを報告したが産後肥立ちが悪く半月後に亡くなった。その知らせを受けた中村さんは昭和18年の8月2日に戦死した。
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