株価が最高値を更新した先月22日、東京兜町に1人の証券マンの姿があった。田部井美彦さんは証券業界に35年余り業界に身を置き、株価がバブル期の最高値を付けた1989年は証券会社入社2年目だった。その後バブルは崩壊し株価は急落、2009年には約7000円にまで落ち込んだ。田部井さんは、今回の株高はバブルとは違うと見ている。企業の業績が伴っていて割高感がなく、株主に利益を還元する企業が増え国内外の投資家が評価していることなどがその理由だという。デフレからインフレに変わると物価が上がり、強まる賃上げ要求に企業が応え続けるには利益を増やす必要があり、利益が増えれば株価も上がりやすくなる。現在は期待先行の株価上昇で、企業はこれから収益力を向上し期待に応える必要がある。