円安がさらに加速している。円相場は一時1ドル160円台後半と37年半ぶりの円安水準をつけた。円相場を巡っては4月末に160円台に突入したあと、政府・日銀が円買い介入に踏み切ったとみられ、再び160円台をつけたことで市場では介入への警戒感が高まっている。市場関係者からは「節目の160円突破で円安のペース次第で介入の可能性は高まる」との見方も出ている。リサーチ会社の調査では、1ドル110円〜120円台がビジネスしやすい適正レートと言われている(帝国データバンク調べ)。自動車などの輸出企業にとっては海外に安く製品を売ることができるので株価上昇につながる側面がある。一方で、円安で輸入食品やエネルギー価格が上がっていけば、家計の負担は増えていく。1ドル160円台の試算では、年間の負担が平均で9万4000円ほど増えることになる(みずほリサーチ&テクノロジーズ試算)。