選挙に立候補しヘイトスピーチの被害に遭った、韓国にルーツを持つ金正則さん(70)。在日コリアン3世の彼は日本で生まれ東京に住み50年が経つ。外国にルーツを持つ人を取り巻く環境は悪くなる一方で危機感を抱いた金さんはアイデンティティの拠り所でもあった国籍を変えることを決意、2年前に日本国籍を取得。先月の都議会議員選挙に立候補した。だが選挙戦の中で金さんが標的にされた。きっかけは河合悠祐戸田市議が金さんを「当選させてはならない」と発言したことで、金さんへのヘイトスピーチが次第に強まっていった。選挙戦終盤に金さんはヘイトスピーチへの抗議声明を発表したが嫌がらせは続いた。自分への攻撃がボランティアスタッフにも向けられたことに胸を痛めたという金さん、結果は落選だった。金さんは70歳になりはじめて路上で「朝鮮人」と罵られたという。社会の空気が悪くなっていることに絶望感を覚えたという。