- 出演者
- 梅津弥英子 橋下徹 松山俊行 安宅晃樹 斉藤鉄夫 野田佳彦
オープニング映像。
自公連立が解消。公明党・斉藤代表は「これまでの関係に区切りをつけることとしたいと思う」、自民党・高市総裁は「一方的に連立政権からの離脱を伝えられた」などと述べた。野党再編が動き出した。国民民主党・玉木代表は「内閣総理大臣を務める覚悟はいつでもある」と述べた。
政界がかつてない局面を迎えている。四半世紀にわたって続いた自公連立が解消。野党間では政権交代を目指す動きも見えてきた。橋下徹は「僕は新しい日本に進み出すきっかけとしておおいに政治でダイナミックな動きをやってもらいたい」などとコメントした。公明党代表・斉藤鉄夫、立憲民主党代表・野田佳彦がスタジオ生出演。2人はかつて新進党で自民党に代わる政権政党を目指していた。
おととい、公明党・斉藤代表は自民党との連立解消を正式に表明した。自民党・高市総裁は「一方的に連立政権の離脱を伝えられた」と述べた。斉藤代表は「自民党も解党的出直しと言っている、我々も存亡の危機。国民の皆さんから不信を抱かれない党に変わらなければありえない」、「その答えでは持って帰れませんということで私の判断で協議を打ち切らせていただいた。一方的にはない」、「自公で戦うということで不記載の問題について我々が説明しなければいけなかった。我々のほうが大きな痛手を被った」、立憲民主党・野田代表は「そうとう重たい決断。高市さんだけの問題ではない」などと述べた。
高市新体制となった自民党。公明党の連立離脱について解説する。公明党は高市氏に対して3つの懸念を示していた。(1)「政治とカネ」、(2)「靖国参拝」、(3)「外国人との共生」の中で靖国参拝と外国人との共生については公明は一定の理解を示していた。政治とカネに関して意見の相違があったという。松山によると連立離脱について、3つの要因がある。高市氏は就任翌日、国民民主党・玉木代表と極秘会談したという報道があった。自民党の新総裁が選出されたあと、通例では与党である公明党の代表と会談。玉木代表と連立に向けたとみられる協議を極秘に行っていたことに対する反発が公明の中にあった。斉藤代表が「まず高市さんがあいさつに来られたが、今回は3点について納得のある解決がなければ連立政権合意することはできないと明確に伝えた」などとコメントした。
2つ目の要因、高市新体制。副総裁に麻生太郎氏、幹事長に鈴木俊一氏、総務会長に有村治子氏、幹事長代行に萩生田光一氏など。麻生氏は元々公明党に非常に厳しい立場を取っていた。公明党とのパイプを持つ人がほとんどいない。選対委員長・古屋圭司氏も公明党に非常に厳しい立場。決定打は萩生田氏。秘書が略式起訴された。政治とカネの問題を解決すべきと言っている公明党から見るとありえない人事に見えた。安全保障関連3文書をめぐる公明党の対応について、麻生副総裁は「公明党は専守防衛に反するという理由でこれに反対。いまの公明党の一番動かなかったがんだった山口、石井、北側等々の一番上の人たち、その裏にいる創価学会」と発言。
3つ目の要因、高市総裁誕生。先月7日、斉藤代表は次期総裁について「保守中道路線の私たちの理念に合った方でなければ連立政権を組むわけにはいかない」と話していた。
4日、高市新総裁誕生。1週間足らずで公明党が連立を離脱する結果になった。視聴者に質問「『自公連立はいったん白紙』公明党の決断を…」、リモコンのdボタンから投票に参加。
公明党が連立離脱の理由に上げた政治とカネの問題。幹事長代行に起用された萩生田氏の秘書が略式起訴された問題もあった。おとといの自公党首会談では高市総裁から「人事についてはもう一度検討したい」という話があったとの報道がある。斉藤代表が「鈴木幹事長から人事についての話が始まった。私たちが問うているのは党の基本姿勢。個別の人事の話は言っていないと申し上げた」、野田代表が「高市さんが勝利した原動力は麻生元総理だとは思うがあまりにも露骨に派閥の復活感がでてきた。古い自民党の政治に回帰していく可能性を感じる人事」などとコメントした。
視聴者投票「『自公連立はいったん白紙』公明党の決断を…」、理解できる76%、理解できない20%、どちらとも言えない4%。野田代表が「長い間のパートナーに冷たすぎた。自民党が」、斉藤代表が「この数字は大変うれしい数字」などとコメントした。
公明党は自民党とは選挙協力しない、閣外協力でもないとしている。連立解消で衆議院では自民党単独で196議席となった。立憲、維新、国民民主をあわせると自民の議席を上回る。視聴者に質問「立憲、維新、国民民主の連携の実現を期待しますか?」、dボタンから投票に参加。斉藤代表が「敵対関係になるわけではない。党同士で推薦するということはないが各地域、地域で、人物本位、政策本位で応援していく」、野田代表が「自主投票、人物本位と言った瞬間に公明党の存在感はますます強くなる」などとコメントした。
公明党が連立から離脱。自民党が維新と組んで自民党総裁の総理を誕生させる可能性もある。維新が野党連合で立憲民主党、国民と組んだ場合野党勢力が多数派に。国民民主党・玉木代表を首班に掲げる動きが立憲民主党を中心にある。玉木代表は「お声がけいただくのはありがたいが、それであれば安全保障やエネルギー政策について、ぜひ我が党の考え方に沿った形で党内をまとめていただきたい」などと述べた。斉藤代表が「2回目の対応についてはそのときの政治状況を見て、党で最終的には決める。個人的考え方ではいま野党の方に投票することはありえない」、野田代表が「十数年に1回しか自民党に代わって政権を取るチャンスがなかった。せっかくこういう状況の中に足し算すれば首班を取れるかもしれないならば、チャンスをもぎ取るために話し合いは必要」などとコメントした。
政治とカネの問題が焦点になっている。企業団体献金規制法案のポイント、献金先について自民党は7000を超える政党支部などが含まれるが公明、国民は政党支部を外して政党本部、都道府県連のみに限定する案を示している。野田代表が「廃止すべきだと思っている。延長戦の繰り返し。これでは政治の責任を果たせない。臨時国会を開いたら一緒に政治資金規正法の改正案を出してもいい。早く決着をつけて次のステージに持っていってもいいんじゃないか」などとコメントした。
視聴者投票「立憲、維新、国民民主の連携の実現を期待しますか?」、期待する33%、期待しない58%、どちらとも言えない9%。橋下が「視聴者投票が10万を超えたのは番組史上初。それぐらい関心を持っている」などとコメントした。
自公連立政権の解消。自民党の党員歴約20年の小野山洋平。今回の総裁選では高市氏に投票した。高市氏の総裁就任早々に起きた連立解消。小野山は「これはこれで早く決着してよかったのではないか」などと話した。待望するのは女性初となる総理大臣の誕生。気になるのは選挙。選挙への不安の声は自民党内からも。政府の幹部は「熟年離婚なんて珍しくないだろ」と揶揄。
1999年、小沢一郎党首率いる自由党と連立を組む自民党が政権強化のために白羽の矢を立てた公明党。前の年に行われた参院選で自民党が大敗。翌年の国会で政府、与党は安全保障に関わるガイドライン関連法などの重要法案の成立を目指していたが参議院で与党側は過半数に達しておらず。自民党は公明党を加えた新たな連立について、自由党との協議を本格化させる。1999年10月、自自公連立政権が樹立され、小渕再改造内閣が発足。公明党からは続訓弘氏が総務庁長官として入閣。半年後に自由党が連立を離脱。
“劇場型”と言われる政治手法で旋風を巻き起こした小泉総理大臣。連立を組む公明党もクリーンな政治をアピールしたテレビCMを制作。当時を取材した政治アナリスト・伊藤惇夫は「小泉政権時の自公連立で選挙協力の方法が確立された」と指摘する。2005年、小泉総理による郵政解散の衆議院選挙では自公で327議席を獲得。公明党は比例で約898万票と過去最高の票数を獲得。国会では連立体制で次々と法案が成立。道路公団や郵政の民営化、外交ではアメリカとの同盟強化が重視されたが連立内の調整で難航したのはイラクへの自衛隊派遣について。神崎代表は自ら自衛隊の派遣予定地であるサマワに入り現地を視察。帰国後公明党内の調整に尽力するなど存在感を発揮。自民党も公明党が主導した法案の成立に協力するなど良好な関係が続いた。
2012年に政権交代した第2次安倍内閣。当時安倍総理大臣が目指したのは歴代政権が認めてこなかった集団的自衛権を限定的に認める安全保障関連法案。平和の党を掲げる公明党は行使容認に慎重な立場を取っていた。当時国土交通大臣を務めていた公明党・太田前代表と安倍総理との間で何度も重ねられた会談。当時取材していたジャーナリスト・鈴木哲夫は「太田さんと安倍元首相の信頼関係がすごかった」などと話した。自民党・高村副総裁と公明党・北側副代表のもとでまとめられた協議の結果、公明党に配慮する修正案で閣議決定した。消費税率の10%への引き上げに伴う軽減税率の導入でも意見が食い違った両党。このときパイプ役を担ったのは菅官房長官。公明党と支持母体である創価学会側の主張を受け入れるなどの調整を経て離婚を回避。岸田、石破政権で徐々にパイプは細くなっていった。そこに加えて自民党の政治とカネをめぐる問題が発覚。
去年10月の衆院選で自公が大敗。少数与党に転落し、多くの議席を失った。連立解消を発表した公明党。自民党・高市総裁は「一方的に連立政権からの離脱を伝えられた」などと述べた。
去年の衆院選で公明党が候補者を立てたのは11区。松山が「各小選挙区で自民党議員がそれぞれ公明党の支援を受けて得られる票が1万~2万票と言われている。そうとう選挙は厳しくなる」、橋下が「高市さんが首相になっても強力な野党勢力が存在する。石破政権以上に野党の声をくみ取るような政権運営をしないと高市政権は続かない」などとコメントした。