竹原伊都子さんは南阿蘇村黒川地区で約30年、下宿の大家として学生を受け入れてきた。地区にはかつて東海大学農学部のキャンパスがあり、学生800人が暮らしていたが、熊本地震で下宿やアパートの多くが全壊した。キャンパスも被災して農学部の拠点は熊本市に移り、住民と交流を深めてきた学生たちは村を離れた。2年前に村に新しく専門学校が開校して、30人余りが入学した。ITの技術などを学ぶ学校で、地区の住民の下宿から通う学生もいる。シワンカル・パラビさんはインドからの留学生で、竹原さんの元で下宿を続けてきた。パラビさんはこの春卒業して、東京のIT企業への就職も決まり村を出た。