道路計画地を遮るように立つおよそ200基の寺の墓。工事開始からすでに18年も経過しているにも関わらず、完成予定はまだ4年も先。さらに工事期間を張り替えたとみられる跡まで。都心部と多摩地域を結ぶ重要な幹線道路として計画された放射第7号線。問題となっているのは、練馬区内のおよそ2キロの区画。墓地以外は道路整備がほぼ済んでいるものの、いまだに車は通行できる状態ではない。未開通区画と並行するしたみち通り、迂回する車などが利用する一方、近隣住民の生活道路としても使われており、車の通行や人の往来がとても多くなっている。なぜ墓の移転が進まないのか。日蓮宗善行院・大庭一記住職は「東京都から求められているのは、寺の本堂と道路計画に該当する墓の部分の移転。200ある墓のうち道路計画に該当しないおよそ70基の墓は移転の対象外」としている。住職によると、東京都は寺の本堂と道路計画にかかっている部分の墓だけの移転を求めていて、残りの墓については移転の補償対象にならないという。都は、寺に対し代替地を提案したものの、敷地が狭く全ての墓が入らないそう。ほかにも墓の持ち主全てに移転の同意を得たり、無縁墓をどうするかなどの問題もあり、移転のハードルが高いのだという。東京都の担当部署によると、全線開通のめどは立っていないものの、地元住民からの要請を受けて部分的な開通を検討しているという。