東京都がことし4月に施行する全国で初めてとなるカスハラ防止条例について都は条例の施行に合わせて業界団体ごとに対応マニュアルを作成してもらうよう推奨している。その参考にしてもらおうと都が対応マニュアルの案をきょう、公表した。マニュアル案は有識者や労働団体などが集まる会議で公表された。この中ではまずカスハラの定義や対応方針を明示することを求めている。そして下、クレームへの初期対応の考え方を提示することを推奨している。その初期対応なのだが具体的にはあらかじめ対応内容を録音、録画することを伝えることで不適切な言動を抑止しそしてカスハラの未然防止につながるとしている。そのうえでカスハラが発生した場合は対面訪問、それから電話、インターネットの場面ごとに対応方針を検討するよう求めている。例えば、商品の売り切れを伝えた際に「お前はばかだ」「無能だ」「商品をすぐに用意しろ」と大声でどなられたケースでは暴言で返すことなく丁寧なことばで冷静沈着に対応することを推奨している。また、サービスの不備を謝罪したにもかかわらず「土下座して謝罪しろ、さもないと許さない」と要求されたケースではきぜんとした態度で要求を拒否することを推奨している。そして電話の場面での対応。商品の交換はできないと繰り返し説明しても納得せず長時間やり取りが続いているケースでは、あらかじめ対応時間の目安として1時間、30分、15分などを設定してそれを超えた場合は要求に応じられない旨を伝え電話を切ることを推奨している。今回、公表された案では警察への通報をためらわないよう警察との連携方針についても提示することを検討するよう求めている。さらに再発防止のために客の出入り禁止や迷惑行為を行わないという誓約書を取り交わすこと、客への対応方法について従業員に研修を行うことなどを推奨している。都は有識者などの意見を踏まえ今年度中にマニュアルを策定する考え。都の担当者は年度内にできるだけ早く公表したいとしている。