日本・ASEAN首脳会議では今年50年の節目を迎える日本とASEANの協力関係を「包括的戦略的パートナーシップ」に格上げするとした共同声明をまとめ、交通インフラへの投資の他、海洋やデジタル技術など幅広い分野で連携を進めていくことを確認したものとみられる。さらに日本が目指しているのが福島第一原発の処理水の海洋放出への理解の浸透。会議の中で岸田首相は処理水放出の安全性を説明し各国首脳らに理解を求めた。続けてASEANと日中韓の首脳会議が開かれた。中国は処理水の放出に反発を続けている。放出が始まってから日中首脳が会議に同席するのは初めて。岸田首相は処理水放出を巡って中国が日本産水産物の輸入を全面的に停止したことについて「突出した行動をとっている」と指摘し、科学的根拠に基づく行動や正確な情報の発信を求めていく考えを示した。一方で中国国営の新華社通信によると、李強首相は中国側の立場を説明した上で日本に対して責任を持って対応にあたるよう求めたという。そして両首脳は会議の合間に個別に立ち話を行った。政府関係者によると、岸田首相は処理水の海洋放出について日本の立場を説明し理解を求めたという。また、両首脳は建設的かつ安定的な日中関係の構築を目指してくことを改めて確認したとしている。