石巻市渡波地区ではこの14年で人口2割ほど減少しているという。商店街だったという通りにはかつては60店舗ぐらい店があったが津波で多くの店が流され、今、通年で営業を続けているのは2店舗だけ。また、通勤通学に欠かせない路線バスは震災前に比べて12%減少した。高齢化が進み、地区にある医療機関はクリニック1か所。沿岸部から石巻市中心部にある総合病院へのバスの直通路線も廃止されている。人口およそ1万の岩手県大槌町。震災前から5000人以上減って、来月から順次、水道料金を引き上げる。町の試算では月5000円余りだった人は来年には1850円高くなる。1年間では2万円以上の増加となる。これまでは料金を据え置いてきたが、震災で壊滅的な被害を受けた町ならではの事情もあった。老朽化した施設の更新のためにも、資金の確保が必要となっている。このため、値上げ後も厳しい収支は続くと見られていて、上水道では一時的には黒字になるが、7年後に再び赤字になる見込み。大槌町と人口がほぼ同じ規模の宮城県山元町は水道施設の維持管理や、料金収納などの業務を民間に委託。コスト削減などの効果は5年間でおよそ8700万円に上っている。また、宮城県南三陸町では空き家を活用して移住者を呼び込んでいる。町の移住定住支援センターを利用して移り住んだ人は2016年以降、140人を超えている。東北大学災害科学国際研究所・姥浦道生教授は「地に着いた活動や事業をやっていくことが次のフェーズとしては重要になってくる」とコメント。