原爆投下から80年。きのう、広島で平和記念式典が開かれ、広島県・湯崎英彦知事は「核抑止がますます重要だと声高に叫ぶ人たちがいる」としたうえで、「抑止力から核という要素を取り除かなければならない」と訴えた。石破茂総理大臣は非核三原則を堅持するとしたうえで、「核保有国に取り囲まれているわが国として、核抑止力を含むアメリカの拡大抑止の信頼性を強化していく方策は不断に検討が必要」と述べた。核のない世界を訴える一方で、世界の推計核弾頭数を見ると、一番多いのはロシアで5459、次いでアメリカが5177、中国は600。約1万発の核弾頭が使用できる状態にある。アメリカとロシアが100発以上減らしている中で、中国は去年から100発、インドは8発増加している。慶応大学教授・中室牧子は「今の日本政府はNPTを重視しているが、核兵器禁止条約に批准もし無いし署名もしない。3月に行われた準備会合にはオブザーバーとしても参加しなかった。湯崎知事が提起したかったことは抑止と軍縮が果たして両立するのかという疑問の投げかけだったんじゃないか」、ジャーナリスト・柳澤秀夫は「日本は核廃絶という声を出し続けること。唯一の戦争被爆国として日本だからこそ言えることがある」などとコメントした。