先月の1回目の備蓄米放出。約14万tが全て落札されて放出となったが、一方でスーパーなどの小売店には0.3%の461tしか届いていなかった。放出された備蓄米はJAなどの集荷業者に移るが、この時点で3%未満しか届いていない。備蓄米の倉庫の多くが東北にあり、これを運ぶトラックなどが不足して運べないという。つまり放出された備蓄米の97%は倉庫にあるというのが農水省の説明だった。このあと卸売業者へ渡るが、精米や袋の製造・梱包などに時間がかかり、最終的に0.3%しか店頭に来ていない。江藤農水相は「スムーズだと申し上げるつもりはない」と話している。政府は7月まで備蓄米を毎月放出予定。今週3回目の入札(10万t)。さらに卸売業者の転売禁止ルールが取引先の偏りを生んでいるとみられることから次の入札分から見直すことで各地に米を行き渡らせたいとしている。スーパーでの販売価格は最高値を更新しているが、業者間の取引価格は8か月ぶりに下落。宇都宮大学・松平尚也助教は「流通の改善が期待できるため、5月には5kg3800~3900円程度に落ち着く」と分析。一方で宮城大学・大泉一貫名誉教授は「もっと一度に大量の放出が必要。価格はほとんど下がらないのではないか」と指摘している。