経済部の井村丈思デスクの解説。今回、日銀が追加の利上げを決めた。なぜ利上げを判断したか。経済の好循環に向けて経済成長と物価の見通しが想定どおりの道筋を進んでいると日銀が判断したからと見られる。植田総裁はかねてから基調的な物価上昇率が目標とする2%に向かって安定して上昇すれば利上げに踏み切るという考えは示していた。さらに日銀内部では円安の影響で輸入物価が上昇する中、物価が想定より上振れする可能性もあり、追加の利上げを検討すべきという見方も出ていた。今回、日銀は国債買い入れの減額について具体策も公表したが、これと同時に金融政策の正常化をさらに一歩進めることが妥当だというふうに判断したということ。この利上げによってマーケット、景気や暮らしへの影響、どんなものが考えられるだろうか。マーケット今は153円台となっている。市場では会合前から日銀が利上げに踏み切るという見方が強まっていて円高が進んでいた。円相場1ドル152円台まで円高が進んでいた。その後、その利上げの決定が伝わるとさらに円高進んだが、そこからまた今度円安方向に戻して荒い値動きをしている。売り買いが交錯しているということ。日銀の評価は市場の間でも受け止めがさまざまというところ。景気や暮らしへの影響。金利というのはお金を借りたり預けたりするときに関係するもののでその変動というのは経済の幅広い分野に影響が及ぶとされている。日銀が利上げに動いたことで今後、金融機関の間では普通預金の金利を引き上げる動きが広がることも予想される。これは預金者にとってはメリットということになる。一方で住宅ローンは利用者が多い変動型の金利に今回の利上げが影響を与えることになり、金融機関はローンの金利を引き上げるかどうか今後判断をしていくということになる。また企業にとっては新たな事業を始めたり設備投資を行ったりする際の借入金の利払いが負担が増えるということになるということも見られる。