クリーブランド・クリフスはアメリカの鉄鋼大手で、元々USスチールの買収に意欲を示していた。そこで日本製鉄と争ってきたが、競り負けたという状況。しかし、バイデン大統領が日本製鉄側の買収を阻止したため、クリーブランド・クリフスが再び買収に動き出した。日本製鉄・橋本英二CEOはバイデン大統領を提訴しているが、クリーブランド・クリフスのゴンサルベスCEOが日本製鉄側の買収を阻止するために誹謗中傷や虚偽の報告などの妨害行為を行ったとして対立が泥沼化しているという。ゴンサルベスCEOは「日本は邪悪」だと話し、日本製鉄はUSスチールを買収すべきではないとしている。世界の鉄鋼業の生産量ランキングを見ると、日本製鉄は4位、クリーブランド・クリフスは22位。もしもUSスチールが日本製鉄と一緒になれば3位になる。差をつけられることを避けたいという思惑もあるとみられる。アメリカ国内で上位企業が一緒になることは独占禁止法に抵触する恐れがある。資金力でクリーブランド・クリフスは日本製鉄よりも劣る。その中で地元の自治体やアメリカの有権者からも日本製鉄の買収を支持する声は根強い。ただ、今後のトランプ政権では経済合理性を超えた恣意的な判断が下される可能性が強いという。