中国のデフレ輸出について。世界最大のEV市場を抱える中国は、都市部での普及が一巡したことなどで国内のEV販売は鈍化傾向にある一方、いま増やしているのが輸出。ことし1月〜4月のEVなど新エネルギー車の輸出は42万台余りで、去年より2割以上増えた。国内で売れ行きが鈍化した分を海外に回そうという狙いで、それを警戒しているのが米国とEU。中国は不当に安い価格で輸出しているとして、非難している。そして米国は、中国製のEVへの関税を今の25%から4倍の100%に引き上げるほか、EUも欧州市場での競争をゆがめているとして調査に乗り出している。中国政府の補助を受けた製品が安く入ってくると、自国の産業が大きな影響を受けると主張。この「デフレ輸出」ともいえる中国の戦略には先例がある。それが太陽光パネル。中国の世界シェアは8割に上るが、これにはしたたかな戦略があったとヨーロッパ委員会が分析している。中国の太陽光パネル・市場独占までの道を紹介。まずは巨大市場を武器に外国企業からの投資を誘う(=外資を誘致)、次に合弁会社などを通じて外国の技術を手に入れる。そして中国メーカーに莫大な補助金を与えて外資を締め出し、最後に安値で製品を海外に輸出するという順番で市場を独占してきた。これを今度はEVでもやろうとしているとみられる。太陽光パネルの二の舞にならないよう手を打とうというのが今の欧米の動きだ。
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