殿様枕症候群について、脳卒中の要因の一つとされる首の後ろの血管が避ける特発性椎骨動脈解離が、高い枕で寝る人ほど発症率が高いことが分かった。研究チームは2018~2023年に脳卒中で入院した人の中で特発性椎骨動脈解離と診断された53人と違う要因で脳卒中で入院した53人で発症時に使っていた枕の高さを調べたところ、特発性椎骨動脈解離の患者で12cm以上の枕を使っていた人が18人で一方は8人、15cm以上は特発性椎骨動脈解離の患者で9人で一方は1人であった。枕が高いと首が曲がり血管への負担が大きくなり、寝返りで首が回る時などに血管が傷つく可能性が高まる。江戸時代の殿様枕は髪形を維持するのにいいとされ庶民にも流通していたが、1800年代の複数の随筆の約12cmの枕は髪形が崩れず楽だが約9cmの枕は早死にしなくて済むという意味の「寿命三寸楽四寸」という言葉がある。枕の高さが15cm以上だと、枕が柔らかくても首が大きく曲がるという。