NATOは秋の米国大統領選挙でトランプ氏が返り咲いた場合にNATOへの関与を弱めるのではないかとの懸念から、ウクライナへの侵攻を続けるロシアに対する防衛力の強化を進めている。こうした中、米国政府はドイツに駐留する米軍の部隊に対し開発中の極超音速兵器などを再来年配備することを決めた。ロシアによる攻撃を阻止するために2026年、米国の長距離ミサイルがドイツに配備される。ドイツのどこに配備されるのかドイツがいくら資金を出すのかは未定。ショルツ首相はドイツは防衛のために精密兵器が必要だと述べた。ロシア政府は厳しい言葉で反応した。NATO(北大西洋条約機構)の首脳会議で決定されたことやドイツに配備される兵器について伝える。10日、バイデン大統領のもとで式典が行われた。大統領は出席したNATO加盟国、ウクライナ、インド太平洋地域のパートナー国の首脳らに対し「良い隣人である」という表現を使った。しかしNATOは最も重要な加盟国である米国の選挙でバイデン大統領が敗退し嫌われ者のトランプ氏が返り咲き、NATOから離脱するとしたらどうなるのかと心配している。このためNATOはトランプ氏に備えて先手を打った。ウクライナに供与されるF16戦闘機がようやく到着する見通しでウクライナのNATO加盟の道筋は不可逆。ドイツ西部にあるウィスバーデンにあるクレイ基地では今後、武器供与と部隊の訓練は米国が調整するのではなくNATOが直接行うことになる。