台湾では、野党が多数を占める議会「立法院」の権限を拡大するための法案が可決された。少数与党の頼清徳総統は就任早々、中国による軍事演習などの圧力だけでなく台湾内部でも野党から強い揺さぶりを受けた形。可決された法案のポイントの1つが、立法院で総統による報告と答弁を定例化すること。総統の強い権限に対するチェック機能を働かせるのが目的とされるが、野党が多数を占める中、総統の政権運営を妨げる手段として使われるという見方もある。民進党政権は審議のやり直しを求める構えで、与野党の対立は長期化しそう。台湾統一をねらう中国としては、台湾が内部で団結できない状況が続けば好都合と見られる。