新関脇・大の里が夏場所で優勝してから1か月あまり、地元の石川県津幡町で行われたパレードには約2万5000人が集まった。1m92cmの身体を生かした前に出る相撲で白星を重ね、幕下付出力士として最速優勝を果たした。自分の原点とするのが、新潟県立海洋高校相撲部。大相撲の世界に多くの卒業生を送り出している強豪。大の里は小学校卒業後に新潟へ相撲留学し、中学生のころから高校生と同じ場所で厳しい稽古を重ねてきた。多いときには1日100番以上相撲を取り、前に攻める今の相撲の基礎を築いてきた。相撲部・田海哲也総監督は、6年間、大の里を指導し、成長を見守ってきた。田海総監督は「弱音も吐かず一生懸命やったという印象が強い」と語った。田海総監督の指導にも支えられた。相撲の基礎であるしこも、一つ一つの動作の隅々まで確認しながら身につけていった。基礎を徹底する今の大の里の姿勢にもつながっている。入門してからも、下半身を中心に強化を続けている大の里。新潟での6年間で築いたみずからの土台をさらに磨いて、名古屋場所でまた一つ飛躍を遂げようと誓っている。大の里は「一生懸命立ち向かっていく気持ちで頑張りたい」と語った。大の里は先場所後には母校を訪れ、師匠で元横綱稀勢の里・二所ノ関親方と共に相撲部の寮に米を1トン贈った。2場所連続の優勝なるか注目。