劇団四季では厳格な実力主義が貫かれており、俳優にとって重要なのは作品そのものの感動を届ける技術と能力。舞台のセリフが聞き取りやすいのもこうした積み重ねにある。その秘密が、創立者の浅利慶太さんが考案した独自の方法論の1つ「母音法」にある。日本語は母音と子音が成り立ち、子音は口の形に過ぎず母音だけが音を持つ。セリフを客席に明瞭に届けるためには1音1音が分離していることが重要。例えば、おはようございますという言葉はまず母音だけで正しく発声できるように稽古する。母音だけで正しく発音できるようになった後で子音を重ねることで一言一句はっきりとセリフを届けることができる。北村優さんは浅利慶太さんの言葉として、劇団の名前は忘れてもいい、そこにいた俳優も忘れてくれていい、底にあった感動だけが残って過ぎ去ってくれればいい、我々は影武者なんだとの考えを継承してお客様に感動を届けられたらと語った。
