先月15日に、兵庫県淡路市で開かれたファッションショー。子どもたちが身にまとっているのは、自らデザインし作り上げた洋服。夏休み中に開かれた洋裁教室に参加して、初めてのミシンや手縫いに戸惑いながらも完成させた。企画したのは、ファッションデザイナーの清水かなよさん。「子どもたちに最後までやりきる力を身につけてもらいたい」と、この教室を開いた。子どもたちはボランティアの講師たちからのアドバイスをもとに、生地を切ったり、ボタンやポケットを縫い付けたりした。市内の小学校に通う3年生の長尾和花さんは、祖母から裁縫を習ったことをきっかけに教室に興味を持ち、妹と参加した。長尾さんのデザインは全身緑のワンピースで、腰に青いリボンや胸元に花が描かれている。長尾さんは清水さんにアドバイスを求めながら、順調に緑のワンピースの裾を手で縫っていく。完成に向けて順調に進んでいるように見えたが、縫い目が大きくずれやり直さざるを得ず、悔し涙を見せた。心の整理がつかない長尾さんに対し、ボランティアの講師が作業を手伝ったり、励ましたりした。そのおかげで長尾さんは気持ちを切り替え、遅れを取り戻した。大勢の観客が見守る中、ショーで長尾さんは持ち前の笑顔でしっかりとアピールした。子どもたち全員が諦めずに乗り越え、大きな夢を叶えた。今回参加した子どもたちのうち約10人は、あさって市内の図書館でミニファッションショーを行う予定だという。