海に流されたがれき撤去の準備をする漁師たち。その一人、町で10年連続、漁船での最高水揚げ量を誇ってきた星さん。震災の6日前、借金をして、新しい船を購入していた。震災から4ヶ月が経ち、町では、魚市場が再開された。星さんは、震災後初めて、漁に出る準備をしていた。町の特産物の水ダコ漁が解禁されたのだ。海では、至る所に、木材などのがれきが浮かんでいた。海に、100のかごを仕掛けたが、かかった水ダコは、16だった。星さんは、あえて大漁旗をかかげ、大漁を祝う時にしか流さない演歌を流して、港に戻った。港では、漁師仲間や魚市場の人々が笑顔で迎えた。星さんは、漁師が漁に出ることで、漁師ではない人たちも、もう一回頑張ろうという気持ちになってもらえたらいいなどと話した。当時、漁獲量は少なかったが、港は、喜びに沸いていたという。