塩で溶けるプラスチックを開発したのは理化学研究所の和田卓三。原料はコンドロイチン硫酸ナトリウムと、硫酸グアニジニウムの2つだけで、これは相田が独自に開発したオリジナルの物質。この2つを水の中で混ぜると、白い部分と水の部分が分離して上と下になる、下が大事でそれを分けて乾かすとプラスチックができあがるのだという。ポイントは従来とは異なる化学結合。この2つの物質を混ぜると化学結合により、それぞれに含まれていた塩が放出され先程のプラスチックが出来上がる。逆に塩を戻せば原料に戻るという。しかし相場が気になるのは「セキユ由来の製品と新しい製品のコストはどれくらい違う?」ということ。相田は、一言で言うと石油由来のほうが安い、ただしこれはリサイクルが100%出来る、それを何回かやることで半永久リサイクルが可能になるという。既に実用化に向けて試作品も作っている。食品包装や、色を付けたりも出来る。こうした研究に功績が認められ、数々の科学賞を受賞した相田だが、魔術師には超えなければならない壁があった。それが変革への抵抗。100年続く石油プラスチックからの転換は一筋縄ではいかないという。相田は、企業に関しては国外の企業のほうが積極的、ヨーロッパの企業はプラスチックに対する規制が年々強まっている、それを守らないとビジネスができないということがあってすごく真剣に考えているという。今存在するものを全部置き換えることはとても無理なことだけれども何割を置き換えると環境とかに対して意味のある変化になるのか、ある程度見積もっていくことも大事だと思うなどと指摘した。一番最初のプロダクトを出したいと思っているのは3年ぐらいだと明かした。
