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- 佐々木明子 相場英雄
作家相場英雄が脳の可能性の開拓者にインタビュー。今回は100年に及ぶプラスチックに革命を起こそうとする魔術師に切り込む。
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オープニング映像。
相場が訪れたのは埼玉・和光市の理化学研究所。本日の開拓者は理研の相田卓三。海洋プラスチックごみは約2億トンもあるという。2019年クジラの死骸の胃の中から60枚以上のポリ袋が見つかった。生態系の脅威となっている。そしてプラスチックごみによる人体への影響が懸念されている。微粒子ほどの小ささになったマイクロプラスチックについて相田卓三は、最近の論文では脳まで到達すると言われて色んな脳の障害が起こる可能性があると語る。実は魚の中だけでなく空気中にもマイクロプラスチックが含まれている可能性があるという。2025年2月のNature Medicineより、人から採取した脳の組織の画像にプラスチックの微粒子の画像を紹介。脳の障害や認知症との関係が懸念されているという。こうした問題の解決に向け、相田が取り組んでいるのが新・プラスチック。驚きの特徴が、塩で溶けるプラスチック。使われている材料はFDAで認可された食品添加物なので基本的に大丈夫だという。さらに特殊な膜で覆うことで塩を含む食品にも使用でき不要になれば溶かすことが可能だと言う。相田が開発した石油を使わないプラスチック。
相場英雄は、溶けるプラスチックで産業構造が変わる?と質問。相田は、石油を使うのが当たり前という世界から、そうじゃない世界が生まれると、我々の考え方とか生活スタイルに随分影響が出てくると思う等と指摘。さらに、いま東京の100年後の夏の気温が43℃と言われている、ただし今の状況を考えると100年必要じゃないかもしれない、という。
塩で溶けるプラスチックを開発したのは理化学研究所の和田卓三。原料はコンドロイチン硫酸ナトリウムと、硫酸グアニジニウムの2つだけで、これは相田が独自に開発したオリジナルの物質。この2つを水の中で混ぜると、白い部分と水の部分が分離して上と下になる、下が大事でそれを分けて乾かすとプラスチックができあがるのだという。ポイントは従来とは異なる化学結合。この2つの物質を混ぜると化学結合により、それぞれに含まれていた塩が放出され先程のプラスチックが出来上がる。逆に塩を戻せば原料に戻るという。しかし相場が気になるのは「セキユ由来の製品と新しい製品のコストはどれくらい違う?」ということ。相田は、一言で言うと石油由来のほうが安い、ただしこれはリサイクルが100%出来る、それを何回かやることで半永久リサイクルが可能になるという。既に実用化に向けて試作品も作っている。食品包装や、色を付けたりも出来る。こうした研究に功績が認められ、数々の科学賞を受賞した相田だが、魔術師には超えなければならない壁があった。それが変革への抵抗。100年続く石油プラスチックからの転換は一筋縄ではいかないという。相田は、企業に関しては国外の企業のほうが積極的、ヨーロッパの企業はプラスチックに対する規制が年々強まっている、それを守らないとビジネスができないということがあってすごく真剣に考えているという。今存在するものを全部置き換えることはとても無理なことだけれども何割を置き換えると環境とかに対して意味のある変化になるのか、ある程度見積もっていくことも大事だと思うなどと指摘した。一番最初のプロダクトを出したいと思っているのは3年ぐらいだと明かした。
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“塩で溶ける”プラスチックを開発した理化学研究所の相田卓三はさらなる進化に挑戦している。相田は「自己修復プラスチックといい修復材とかを入れずに自分で勝手に修復していく」と説明。2つに割れたプラスチックが何故かもとに戻った。さらに、燃えないプラスチックは、火がきても炎が出ないので沈下につながっていく。次回、相場がさらに深堀りする。
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