JA全農との取引の少ない福岡の業者は例年比でコメの在庫が3割少なく、備蓄米を調達したいと考えているが回ってきにくいという。備蓄米が行き渡らない背景にあると指摘されているのが、流通の経路の問題。これまでの2回の入札でいずれも9割以上を落札したJA全農は、取引の実績のある卸売業者に販売するとしている。JAと直接取引の実績がない中小の卸売業者やそこから仕入れている中小のスーパーなどには備蓄米が行き渡りにくい。この偏りを是正するため、農林水産省は3回目の入札ではこれまで認めていなかった卸売業者同士の売買を認めることになった。備蓄米の1回目の落札から1か月以上経つも売り場に十分なコメは届いていない。専門家は、そもそもの放出量が少ないことも備蓄米が行き渡らない理由に挙げている。