台湾有事に関するシリーズ企画の3回目。台湾に距離が近い沖縄県での動きを追った。日本の最西端沖縄県は国内外から年間966万人が訪れる観光都市。1月、その沖縄で開かれたのが沖縄県国民保護共同図上訓練。武力攻撃からの住民避難を想定したもので、沖縄本島から離れた先島諸島の5つの市町村に加え、国や航空会社の担当者など、およそ70の機関が参加。県などは特定の事態を想定していないと強調するが、訓練に参加した竹富町・前泊正人長に直撃すると「台湾有事、尖閣諸島で中国公船が領海侵犯をしている。危機感、隣国の脅威をひしひしと感じている」とコメント。中国による台湾侵攻、台湾有事が念頭にあった。習近平政権が2027年までに台湾侵攻を実施するという分析などを受け、沖縄県での本格的な図上訓練が2年前に始まった。竹富町の避難案では、まず船やヘリコプターで隣の石垣島住民を運ぶ計画。寝たきりの要配慮者などは健康状態に合わせ輸送手段を検討するとしている。ただ、先島諸島から沖縄本島の民間定期航路はないため、候補となる船舶の確保が県としても大きな課題となっている。最終的には先島諸島のおよそ12万人の住民を九州や山口県に分散して避難させる計画になっている。さらに沖縄では水面下でも台湾有事に関する動きが始まっている。