- 出演者
- マツコ・デラックス 平坂寛
今夜は人類の未来を救う、世界が大注目の“毒”スペシャル。全国でいま「毒」をテーマにした展示会に長蛇の列が。さらにサソリ・ヘビなどの毒の成分から糖尿病や脳腫瘍に効く薬が次々開発されたり、ボツリヌス菌を作り出す毒素を使ったボトックス駐車は筋肉の緊張をほぐしてシワを軽減させるなどいまや一般的に。まさに毒は人類の未来を救うかもしれない存在。そんな生物の毒を知り尽くした毒界のスーパースターが登場する。
きょうは世界中の生き物のありのままの姿を見て・触って・体当たりレポートする生物ライター・平坂寛さん。YouTubeチャンネルの登録者数は91万人。ひとたびイベントを開くと常に大盛況。特に子どもたちからの支持は絶大。毒好きチルドレンにとって平坂さんは“令和のムツゴロウ”的存在。平坂さんは「黒潮生物研究所」に所属する生物ライターで、子どもの頃から図鑑を読み漁っていた。12歳のころ、自分で釣ったブラックバスを食べたことがきっかけとなり「自分の目で見て・触ってみることで生き物の本当の姿がわかる」と気づいた。その後、生物学者を目指し筑波大学大学院に進学するが、1つの生物しか研究できないことにジレンマを感じ、様々な生き物を探究できる生物ライターに。実体験を活かした様々な本も大人気。最近は活字離れが進んでいるため、YouTubeで公開しているが「危険動画扱いで収益にならない」という。平坂さんは黒潮生物研究所の研究員でもあり、これらの行為はすべて研究の一環。毒性物に刺された直後の症状からその後の経過観察、さらにもしも刺されたときの対処法まで事細かにレポートしている。そんな平坂さんが毒と向き合う理由は「目で見て・触って・毒喰らって生物の“本当の姿”を伝えたい。毒は人類の未来を救う」という思いから。危険な毒グモ・セアカゴケグモが日本に侵入してきた際に連日のように報道されたが、「実際はおとなしすぎて噛んでくれない。当時の報道や文献の記述が誤っていた。ただ、痛くないけど手首から先が全く動かなくなるんです。その後肘から下が動かなくなって、最終的に片手全体が動かなくなった。20分くらいです。ただ、僕のこの大きな体で片腕が動かなくなるということは赤ちゃんが噛まれたらどうなるのか。そういうことこそ報道すべき、本に残すべきなのにそれがなかった」とのこと。
今日本全国で毒ブームが到来中。「サンシャイン水族館」では、「もうどく展 極」が大盛況。国立科学博物館で開催された特別展「毒」には30万人を超える来場者が。さらに毒好きの薬屋「猫猫」が宮廷で起こる事件を薬と知識で解決していく「薬屋のひとりごと」が大ヒット中。シリーズ累計で4000万部を突破。さらに生物が作り出す毒の中には、人間が作ることができない成分を含むものも多く、例えばアメリカドクトカゲの毒に含まれる成分から糖尿病の治療薬が開発されたり、オブトサソリの毒に含まれる成分が脳腫瘍にだけ結合することが分かり、治療に向けた研究が進められるなど、毒は人類の未来を救うかもしれない存在。弱き者が進化の過程で手に入れた一発逆転の最終兵器。毒の驚くべき世界を大解剖!さらに衝撃的すぎてこれまで封印していた禁断の毒映像をついに解禁。
これまであらゆる毒の症状を身をもって体験してきた平坂さん。図鑑には載っていない衝撃の事実が次々分かったという。沖縄などの南西諸島に生息するオニダルマオコゼは浅瀬にいるため、間違えて踏んでしまう被害が毎年のように報告されている危険な魚。毒針がサンダルを貫通する。対策は発見しにくい夜の浅瀬や潮だまりには行かないことだそう。オニダルマオコゼに刺された平坂さんは人生で一番の痛みで3日間続いたという。さらにオコゼと毒性が近いゴンズイも試してみた。患部をお湯に漬けると痛みが和らいだという。平坂さん曰く、オコゼやゴンズイが持つ毒はタンパク質でできており、お湯の温度によってタンパク質が変異して痛みが和らいだのではないかとのこと。しかし、お湯から引き上げると痛みが強くなるという。クラゲは種類によって適切な応急処置が違い、お酢をかけると有効なのはハブクラゲなどで、お酢は逆効果になるのはカツオノエボシなどだという。
中南米に生息するオオヒキガエルは1930年代にサトウキビの害虫駆除のため日本にやってきた特定外来生物。耳線から出た毒を平坂さんが舐めた結果…尋常ではない苦さ!やがて痺れが出た。
オオヒキガエルの毒液を舐めると舌先が痺れて上手くしゃべれなくなる。天敵に襲われた時、苦味で吐き出させる。オオヒキガエルは口全体がまひしてうまくしゃべれない。
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東南アジアや中国に生息するサソリ、ライカス・ムクロナートゥス。通称スイミングスコーピオン。このサソリの毒はある感覚が反対になる驚きの症状。熱い・冷たいが反対になる。温度を感じる神経に作用する毒?
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- ライカス・ムクロナートゥス
毒とは、弱き者が進化の過程で手にいれた一発逆転の最終兵器!マツコは「昔、“ハチの一刺し”という言葉があった。ある政治家の悪事を裁判で全部暴露する。それが“ハチの一刺し”と報道された」などと述べた。平坂さんは「力の無いものがとっておきの最後の一撃として取っておけるものそれが毒です。毒ヘビも小さいものが多い。大きなヘビは毒を持たない。マムシとかか弱い存在が毒を持つ。毒を体の中で作って蓄えておくのはものすごくコストがかかる。毒はいざという時しか使わない」などと述べた。
体内で「毒」を作るためには、かなりの時間と体力が必要。マムシは毒を使いきると再び使えるようになるまで数日かかる。毒を持つことを選んだ生き物で代表的なのがハチとサソリ。ハチはもともと毒を持っていなかった。針もなかった。ハチは幼虫が葉っぱを食べるハチだった。この頃は毒も針もなかった。進化の過程で寄生バチが現れる。イモムシなどの体内に卵を産みつけ幼虫が虫を食べて育つ。卵を注入するために産卵管が針状になる。さらに針を使って狩りをするハチが現れ毒を獲得。スズメバチなど集団行動する社会性を持ち巨大な巣を作るように。巣を襲う哺乳類に対抗するため毒針を使うようになる。キオビクロスズメバチをツキノワグマが襲う。クマは栄養価の高いハチの幼虫やサナギを狙う。襲われたスズメバチも反撃。皮膚が薄い鼻先や目を狙うスズメバチ。クマは8分で退散。
サソリは歴史の長い有毒生物。4億年前からほとんど姿を変えていないと言われている。獲物が少ない砂漠などで確実に獲物を狩るために毒を使う。サソリは毒の中に様々な成分を持つのが特徴で毒のエリート。ヤエヤマサソリは毒は微弱で人間にはほぼ無害。コオロギやバッタの仲間には効果がある。バッタ類だけに効く成分を摘出し農薬に活用できないか京都大学が研究しているという。天敵を倒すという意味で最強の生物がミイデラゴミムシ。比叡山のふもとにある三井寺が名前の由来といわれる。ミイデラゴミムシのお尻からヒドロキノンと過酸化水素を混ぜて化学反応を起こす。カエルが捕食すると口の中でガスを噴出。温度は100℃に達する。毒のため粘膜に炎症を引き起こす。
我が子を守るために毒を使う生き物としてフグなどを紹介。フグは肝や卵巣に毒があるのはフグの赤ちゃんは卵巣に溜め込まれた毒で赤ちゃんをコーティングして他の魚に食べられるのをふせぐためだと説明。
毒を食べて体内に取り込む生物を紹介。フグはオオツノヒラムシなどをたべて毒をもつため、天然は毒をもつが、養殖は毒がない。ほかにもズグロモリミオズはジョウガイモドキを食べるなどやばい生物4つを紹介。
平坂寛が毒の世界を解説。アオミノウミウシはクラゲの毒針を食べて、体内に取り込み、その毒針を纏い外敵から身を守るという。元々のクラゲよりも毒性が強くなることもある。また、ゴカイの中にも毒を持つ種類がある。
毒の世界のヒエラルキーを説明。頂点は自分で毒をつくる蛇など。つぎは毒を取り込もうフグなど。底辺は毒を持つ生物に似せる生物がいる。人間の社会と一緒だとマツコはコメント。ハチに擬態する生物を例にあげて説明をした。
明日放送される「巷のウワサ大検証!それって実際どうなの会」、「ニノなのに」の番組宣伝。
平坂寛氏はネパールの標高3500m以上の高地で、ヒマラヤオオミツバチを発見。断崖絶壁に巣をつくり、採取できた「マッドハニー」という蜂蜜は100gで2万円以上もするという。ただ、グラヤノトキシンという幻覚作用の成分を含まれる。平坂氏はドローンを操縦していたときにヒマラヤオオミツバチの襲撃を受け、防護服は未着用だった。
「マツコの知らない世界」の次回予告。
