コメ作りの担い手が減っている茨城県では地域の中で農地を集約しより大規模で効率的なコメ作りが始まっている。稲敷市の農業法人代表・山口貴広(40)は5年前に会社を立ち上げ、規模を急激に拡大させている。現在の耕作面積は115ヘクタール(東京ドーム25個分)で、今の時期は集中的に田植えを行っている。7人の働き手で今月中に完了する計画。山口代表は「効率をどんどん上げないと多くの面積はこなしていけない。やりたい人にとっては農地がどんどんでてくるのでチャンスだと思う」と話す。農地は約120人の地権者から借り受けたもの。背景には戦後のコメ作りを支えてきた農家が次々と辞め始めたことがある。一方、借りた水田が点在している場合は効率化が図れないのが課題。茨城県が主導して担い手の情報交換会を行って対策を話し合い、農地をまとめて効率化を図ろうとしている。山口代表は若い人材育成にも乗り出している。コメ作りに興味のある若者を県外からも呼び込んでいる。山口代表は「多くの面積が一気に出てきたときも誰も作る人がいないという状況はなくしておきたいという思い。受け皿として僕たちがその役割を担えれば」と話す。茨城県農業経営課・松浦和哉課長は「いま県では農家が大幅に減少し大きな転換点を迎えていることから、地域の水田を大規模に担える農業者を育て、生産性の高い経営を後押ししていきたい」とコメント。