安定的な皇位継承の在り方を巡り、政府はおととし1月、皇族数を確保する方策として、女性皇族が結婚後も皇室に残る案と、旧皇族の男系男子を養子に迎える案の2つを盛り込んだ、有識者会議の報告書を国会に提出し、これまでに与野党各党が考えなどをまとめている。自民党は、報告書に盛り込まれた方策が必要だとする考えをまとめている。具体的には、女性皇族が結婚後も皇室に残る案について、皇族数確保のために必要だとしている。また、旧皇族の男系男子を養子に迎える案に関しても、皇族数確保、安定的皇位継承のため必要な方策だとしている。立憲民主党は、報告書では、女性宮家の創設に明確な結論を示していないと指摘し、女性皇族が婚姻によって皇室を離れることが十分想定されることから、女性宮家の創設についての議論を急ぐよう求めている。女性皇族の配偶者や子どもに皇族の身分を付与する案についても、検討を求めている。一方、旧皇族の男系男子を養子に迎える案に関しては、憲法が法の下の平等を定めていることから、憲法上の規定との整合性を含めて検討する必要があるとしている。日本維新の会は、皇位が男系により継承されてきたことの重みを踏まえたうえで、安定的な法制度の実現を求めている。そして、旧皇族の男系男子を養子に迎える案を特に高く評価できるとしている。一方、女性皇族が結婚後も皇室に残る案については、皇位継承資格を女系に拡大することにつながるのではないかという懸念の声に、十分留意する必要があるとしている。公明党は、有識者会議がまとめた方策に沿って、女性皇族が結婚後も皇室に残る案の制度化を検討し、旧皇族の男系男子を養子に迎える案も認めるべきだとしている。共産党は、天皇を男性に限定する合理的な理由はないとして、女性天皇に加え、女系天皇も認められるべきだとしている。国民民主党は、女性皇族が結婚後も皇室に残る案と、旧皇族の男系男子を養子に迎える案の2つについて、早急に制度の具体化を進めるべきだとしている。れいわ新選組は、皇位継承の在り方の議論の前に、経済対策や災害からの復旧などの議論を行うべきだとしている。きょうから始まった、衆参両院の議長と各党の代表らによる協議では、各党の代表者が、皇族数を確保する方策などについて意見を述べた。額賀衆議院議長は、可能なかぎり、今の国会の会期中に、立法府としての総意をまとめたいという考えを示した。