いまコンビニ各社がおにぎりセールに踏み出している。おとといコンビニ大手「ローソン」が発表したのは随意契約によるお米を含まない2023年産以前のコメを買い付けて「ヴィンテージ米おにぎり」として発売するということ。おにぎりをめぐる動きは「セブン-イレブン」や「ファミリーマート」などコンビニ各社がお得なセールを次々に打ち出している。ローソンの「ヴィンテージ米おにぎり」はより米の味を感じられる塩か梅おにぎりにするそうで、値段は税抜き120円程度ということで来月以降売り出す。ファミリーマートはアプリ会員限定で条件を満たすとおにぎりの100円引きクーポン10枚が500円で買える。セブン-イレブンでは来週水曜から4日間限定で183円以下のおにぎりを108円などの値引き価格で販売するという。おにぎりに使う金額は年々増えていて、総務省の調査によると2人以上の世帯でおにぎりの年間支出額は2000年の3103円から去年の6166円に20年間で2倍ほどに増えている。近年のコンビニおにぎりのトレンドにはある傾向があるという。去年のコンビニ各社のおにぎり人気ランキング(おにぎり協会調べ)を見ると比較的低価格のおにぎりが多くランクインしている。一方でローソンのものに注目すると4位に279円の「金しゃりおにぎり焼さけハラミ」が入るなどいわゆる“ごちそうおにぎり”の人気も健在。おにぎりを研究する「おにぎり協会」によるとこれを「おにぎり両極化時代」と呼んでいて、その背景にあるのがコンビニ各社が幅広いニーズ応えてきたことがあるそう。コメの値段高止まりが続いているが、コンビニおにぎりは様々な工夫をして物価高を乗り切る戦略を立てている。セブン-イレブンでは今年に入り2回値上げを行っているが「具だくさん」のおにぎりを展開したり専門店とコラボするなどして付加価値をつけることで広く需要を取り込む狙いがあるという。ローソンでは通常のおにぎりよりも作り置きもできるし価格を抑えることもできる冷凍おにぎりの取り扱いを先月大幅拡大させた。コンビニがおにぎりに力を入れるワケについて専門家は「おにぎり離れがコンビニ離れにつながる。おにぎりは一番コンビニで書いやすい食べ物で手軽に誰もが買いやすいので多くのお客さんを呼び込めるツールでもある。コンビニにとっておにぎりの魅力化は生命線。」と話す。コンビニの陳列棚でもその様子が現れているそうで、入口から目に入り安いところにおにぎりが設置していることが多いそう。これには「ついで買い」なども誘う狙いがあるという。