睡眠研究の世界的権威で、ノーベル賞候補との呼び声高い柳沢。研究者になったころは睡眠とはまったく違う研究をしていた。名を上げたのは1987年、血管を収縮させるエンドセリンという物質を発見。後に肺高血圧の治療薬として実用化された。この発見がアメリカの大学の目に留まり、ヘッドハンティング。柳沢の人生を大きく変えるきっかけとなった。アメリカの大学で20年以上にわたり研究を行い実績と経験を積んだ柳沢。2010年以降、日本政府も睡眠研究に力を入れ始めると真っ先に柳沢の研究が内閣府の最先端研究開発支援プログラムに採択された。2012年に文部科学省が世界一の研究拠点を目指し立ち上げた国際統合睡眠医科学研究機構のトップに就任。今や各国から研究者が集まり世界の睡眠研究をリードしている。後継者を育成するポイントを聞くと、柳沢は「若い研究者に『心から面白いと思えることをやってください』と言っている」という。