2025年3月22日放送 10:30 - 11:00 テレビ東京

ブレイクスルー
大病にもつながる睡眠不足!睡眠の悩みを解消する!

出演者
佐々木明子 真山仁 
(オープニング)
“睡眠不足”と闘う 最先端研究

世界一の睡眠不足大国の日本。睡眠障害などによる経済損失は年間20兆円とも言われる。人類に不可欠な一方、いまだメカニズムすらわかっていない睡眠の謎を解明すべく挑んでいる開拓者がいた。睡眠を制御する脳内物質を発見し、新しい睡眠薬の開発に貢献するなどノーベル賞候補の呼び声も高い研究者。今、睡眠はビジネスとしても盛り上がりを見せている。5年後の2030年の市場規模は110兆円に達すると見込まれている。今回は小説家の真山仁が睡眠から世界を変えようとする睡眠学のトップランナーに切り込む。

キーワード
真山仁認知症霞が関(東京)
オープニング

オープニング映像。

(ブレイクスルー)
“睡眠不足”と闘う 最先端研究

筑波大学・国際統合睡眠医科学研究機構は日本が睡眠研究で世界をリードするため国の支援によって2012年に設立された睡眠の基礎研究に特化した世界最高峰の施設。柳沢正史機構長は睡眠研究の世界的な権威。柳沢の名を世界にとどろかせるきっかけになったのが1998年に発見した脳内物質オレキシン。摂食中枢や満腹中枢がある脳の視床下部で作られるため、発見当初は食欲に関連する物質だと考えられていたが、研究を進めるなかでオレキシンは非常に重要な覚醒物質であることがわかった。その後、オレキシンの作用を抑制する新たな睡眠薬の開発に貢献。こうした功績が認められ、ブレイクスルー賞とクラリベイト賞を受賞した。

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つくば市(茨城)オレキシンクラリベイト・アナリティクス引用栄誉賞ノーベル賞ブレイクスルー賞筑波大学国際統合睡眠医科学研究機構

ノーベル賞の期待がかかる柳沢が今、懸念しているのは日本人の睡眠。成人の平均睡眠時間はおよそ7時間22分と世界一短い。成人の4人に1人は睡眠について何かしらの悩みを抱えている。柳沢は睡眠の基礎研究で培った知見と技術を生かし、世界を変えるべく動き出す。睡眠負債の解消。2017年に柳沢が立ち上げた会社S’UIMIN。開発したのは誰でも気軽に睡眠の計測ができる装置。睡眠計測デバイスインソムノグラフは睡眠の質を見える化し、眠りを妨げる原因を探ることができる。あらゆる人の心と体を睡眠から健康にすることが目的。小説家・真山仁の睡眠を計測した結果は睡眠の時間や周期は正常の範囲だったが、ある睡眠障害が真山の体をむしばんでいた。

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S’UIMINノーベル賞筑波大学経済協力開発機構

日本人を悩ます睡眠の謎を解明する世界の最前線。小説家・真山仁の睡眠を妨げる要因。正常な男性は血中酸素濃度がほぼ一定なのに対し、真山は上下に激しく動いている。年々増加傾向にある睡眠時無呼吸症候群は現代病とも呼ばれ、軽症の人も含めると日本国内で2200万人に上るといわれる。睡眠時無呼吸の標準治療はシーパップ。軽症の場合は抱き枕などを使い、横向きに寝ることで気道を確保でき、無呼吸を抑制することができる。心と体の健康に不可欠な睡眠。睡眠不足が続くとがんや心疾患、糖尿病、脳卒中、うつ病などさまざまな病気のリスクを高めてしまう。

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うつ病がん心疾患睡眠時無呼吸症候群糖尿病脳卒中認知症
免疫に関係? “眠りの正体”に迫る

柳沢が機構長を務めるこの施設では、睡眠について様々な視点から研究を行っている。柳沢の研究チームは、眠気を解明するため大量のマウスから脳波を取った。すると睡眠障害のあるマウスを発見。睡眠障害があるマウスだけを選別していき、だんだんDNAの傷の場所が分かって原因を探していくというロジック。睡眠異常は、ずっと寝る方と全く寝ない方の両方を見ているという。睡眠の基礎研究に特化したこの施設には、世界各国から約250人の研究者や大学院生が日夜睡眠の基礎研究に勤しんでいる。近年の研究で、睡眠時間と認知症の発症リスクが大きく関わっていることがわかった。睡眠時間が5時間未満の人と、10時間以上の人は認知症を発症する可能性が高くなるという。柳沢にとって睡眠は、研究者の立場から言うと本当に謎でブラックボックスと言ってもいいという。20世紀初頭から始まった睡眠研究。しかし睡眠の実態は未だ解明されていない事が多い。睡眠にまつわる謎は、大きく2つある。1つはなぜ眠くなるのか。2つ目は眠る時間。睡眠中は意識が薄れるので、ひいき目に見てもリスキーな行動。なぜ全ての動物が眠るのか明快な答えがないという。睡眠とはなにかを解明するために線虫という動物を使っている。体が疲れると眠くなるというのは誰しもが経験する生理現象だが、体の疲れがどのようにして睡眠を引き起こすのかその仕組はわかっていなかった。線虫の研究を通じ、肉体疲労後に起こる細胞の変化と眠気の関連を明らかにした。さらに昆虫を使った睡眠の研究をしており、2000年頃に昆虫も睡眠をすることがわかったという。ショウジョウバエの遺伝子のの数は人の半分程だが、約60%はヒトと共通の機能を持つ遺伝子だという。扱いが簡単で維持費用も安いため、実験するうえで早く結果が出るという。遺伝子を発現させて睡眠を誘引するものを見つけたという。睡眠を誘導する遺伝子は「nemuri」という。2019年に米科学誌サイエンスに発表。近年の研究で分かったことは、病気になると眠るその時に駆動する遺伝子だということ。今詳細なメカニズムを研究している。

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“睡眠不足”と闘う 最先端研究

睡眠の解明に向け様々な視点から研究を行う国際統合睡眠医科学研究機構。基礎研究に特化するプレッシャーはあるかと聞かれた柳沢機構長は、プレッシャーは常にあるという。自分自身の結果だけでなく次のお金をどうやって取るかが常に肩に重くのしかかっているが、ないふりをしているという。この機構での成功はなにかについて、ここは基礎研究をするので何よりも大事なのは論文だという。論文を出し続けることが唯一無二でそれなしには話にならないという。過熱する睡眠ビジネスに警鐘を鳴らす。なんの科学的根拠もないことを謳っている商品がたくさんあるという。一方正しい眠りを知ることが企業を成長へと導いているという。

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筑波大学国際統合睡眠医科学研究機構
次回予告

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