- 出演者
- 大浜平太郎 佐々木明子
宇宙では使われなくなったスペースデブリが1億個以上あるといわれている。それが現在使用している衛生に突然衝突する可能性がある。今回は人工衛星を使った宇宙ゴミの除去。宇宙の開拓者に迫る。
- キーワード
- スペースデブリ
オープニング映像。
今回はアストロスケールの岡田光信さんを取材。アストロスケールは2030年に宇宙ゴミの除去をめざしている。人工衛星は1957年にソ連が初めて打ち上げを成功してから、現在まで世界で2万機以上を打ち上げている。現在は約2600基が役目を終え、宇宙ゴミとなっている。ゴミが人工衛星にぶつかり、宇宙ゴミの二次被害を引き起こしている。2024年には国際宇宙ステーション付近でロシアの人工衛星が分解、乗組員が退避する事例が起きている。宇宙ゴミは秒速7キロから8キロで飛行しており、90分で地球1周する速さで飛んでいる。それた1億3000万個以上地球の周りと飛んでいるという。そこでアストロスケールでは衛星と宇宙ゴミを模したものを分離して、その後衛星と宇宙ゴミが近づいたとき磁石で捕獲するという実験を行い成功した。そしてアストロスケールHDは実験後イギリス最大手OneWebと契約を交わした。
次に岡田さんはJAXAとH2Aの残骸への接近を行った。結果15メートルまで接近することができ世界初の残骸を撮影することに成功した。さらに岡田さんは実際にロボットアームでの捕獲を考案した。そこで岡田さんはなぜ宇宙ゴミ問題について考えるようになったのか。岡田さんは15歳の時にアメリカにあるスペースキャンプに参加していた。そのご大蔵省などに就職したが、中年期に自分がスペースキャンプに参加していた時に毛利さんからもらったメッセージを見つけ、宇宙に関心を抱くようになった。その後岡田さんは宇宙にまつわる学会に参加し、論文に記載してあった著者に直接会うなど行動していた。そのうち磁石での捕獲方法を思いつき、その方法を実現するためいまでは従業員600人まで集めることができた。
しかし、岡田さんは過去に会社存続の危機にも陥っていた。2017年にはじめて人工衛星を打ち上げ失敗した。しかしその危機がありながらも翌年の資金調達は過去最高に集まった。アストロスケールホールディングスは2024年6月に東証グロースに上場したが、当時は赤字が続いていた。株主からの需要があり上場を決意したが、プレッシャーは上場前から感じていたという。商業ベースにのるために、競合がありながらも引き続きリードを取りたいと話した。
- キーワード
- アストロスケールホールディングス
宇宙ゴミの除去を目指す岡田さんに立ちはだかったのは、国際的なルール作り。国際競争が激化している宇宙だが、宇宙ゴミは放置されたままだ。そこでルールとして、ゴミをこれ以上増やさない、ゴミを減らしていくというルールは議論が進んできているという。岡田さんは国際宇宙航行連盟の副会長をつとめ、ルール作りの重要性を訴えている。岡田さんは宇宙のゴミ問題を通して、宇宙のロードサービスというビジネスを拡大しようとしている。その他にも衛星の燃料補給サービスなども企てている。アストロスケールは燃料補給技術に関する研究に採択され、予算は最大120億円にもなる。施設内では宇宙のロードサービスに使用する衛星の電気回路を手作業でチェックしている。これらのプロジェクトはすべてすでに契約が進んでいるものになる。アストロスケールHD米子会社はアメリカ宇宙軍から燃料補給可能な人工衛星の開発を受注。しかしこの技術が軍事に利用される可能性もある。この問題に対し岡田さんは透明性で世界に知らしめていくことが重要と述べた。
岡田さんが思うブレイクスルーポイントは、「大人の好奇心を持ち続けること」だという。新しい課題が出てくるときこそ神様が与えてくれた新しい課題だと思って感謝しながら取り組むことが大事と話した。