こう着状態だった協議が一気に動いた。自民党内で何があったのか。岸田総理に近い関係者は「連立解消などということにならないようにするため、決断せざるをえなかった」と話している。おとといの夜、岸田総理と会談した自民党・麻生副総裁や茂木幹事長は、パーティー券の公開基準額のさらなる引き下げに反対していた。いわばそれを押し切って公明党を優先した形。自民党内を取材すると「5万円まで引き下げると、必要な政治資金が確保しにくくなる」「もうやってられない」などと反発の声も聞かれる。岸田総理が再選を目指す秋の総裁選挙に向けて影響を与える可能性もある。野党側、日本維新の会が賛成に回ることについて。自民党としては、幅広い賛同を得るとともに野党の分断を図るねらいもあったと見られる。立憲民主党の幹部は、日本維新の会に対して「ミイラとりがミイラになった、切り崩し工作に乗ってはいけない」などと、恨み節のような声も聞かれた。次の衆議院選挙に向けて、野党間の連携強化を目指す立憲民主党の戦略に影を落とす可能性もある。今回の各党の判断を国民がどう評価するのか。政治の信頼回復が図れるかどうかが問われることになる。