藤井が叡王戦と同じ時期に戦っていた名人戦の挑戦者・豊島将之九段は、かつて藤井や伊藤のようにAIの評価が高い将棋を指していたがここ1年で変化を見せている。名人戦ではAIによる評価が低い横歩取りや振り飛車を指した。豊島は見たことがない局面になっていい手を指せるようにということころを重視してやってきたと話した。名人戦を4勝1敗で防衛した藤井は豊島との戦いについて、序盤から一手一手考えるという将棋が続いたので初心に返ってそういう姿勢の大切さを改めて感じるところが多かったと語った。藤井と練習パートナーを組む永瀬拓矢九段は、藤井もまたこれまでとは違う戦い方に挑戦していると語る。叡王戦で藤井が指した3三角にはAIの評価にとらわれず将棋の可能性を広げる狙いがあったとみている。藤井は伊藤の予想を外す意図だけではなくうまく戦えれば面白いという考えがあったと話した。