西田は姉と兄の影響で5歳からバレーボールを始め、小学生になると地元チーム「大安ビートル」に所属。上級生に交じって練習した。中学時代、西田は美保さんに「タバコ吸いたい」と話した。「一緒に吸おうか」と美保さんは吸ったことがないタバコに火をつけ「バレーができなくなっても良いなら吸いな」とタバコを差し出したが、西田は受け取らなかったという。中学校のバレー部は西田以外全員が初心者で、顧問も素人だった。当時石川祐希に憧れ、春高バレーのビデオを見続けていた。強い相手を倒して全国に行きたいとバレーでは無名だった海星高校に進学。春高バレー出場まであと1勝となった高2の三重県大会決勝で、西田は途中足がつりベンチに下がった。試合に敗れ西田が涙を流しているところに、美保さんは「お前のせいで負けた」「エースの自覚が足りない」と叱りつけた。母の言葉に奮起した西田は翌年インターハイに初出場するも、春高バレーへの出場は叶わずスター選手として注目を集めることもなかった。しかしスカウトの目にとまり実業団チーム入団が決定。当時の史上最年少17歳でVリーグデビューし、最優秀新人賞を受賞した。2018年には18歳で日本代表入を果たし、Vリーグ2年目ではMVP、得点王、サーブ賞と数々のタイトルを総なめ。2019年ワールドカップバレーではベストサーバー賞を受賞し、ベストオポジットにも選出された。西田の武器は高いジャンプ力と並外れたパワー。バックスイングした腕を振り下ろすことで高くジャンプしている。また腕を後ろに引くのではなく円を描くサーキュラースイングで打つことでパワーのあるスパイクができる。