バレーボール男子は世界ランク2位のイタリアにフルセットの末、敗れた。試合後、涙を流した選手たちだったが、亡きチームメイトに向けて思いを語った。2時間40分、フルセットに及ぶ激闘。あと一歩のところで48年ぶりのベスト4に届かなかった。対するイタリアの選手の多くはセリエAに所属。2m超えの選手を揃え、高い打点からのスパイクでポイントを奪う。東京五輪に出場した日本の司令塔・藤井直伸さんは去年3月、胃がんのため31歳の若さで亡くなった。同じ舞台を目指した盟友と共に戦う選手たち。日本のエースは序盤から躍動する。石川は自らのサービスで相手を崩しバックアタックを決めた。さらにバックアタックと見せかけたフェイントでもポイントを奪う。石川選手は10年前世界のトップとプレーがしたいとセリエAに飛び込んだ。当時はイタリア語に四苦八苦していたが、言葉の壁を乗り越えて世界のトップ選手たちと肩を並べるまでに成長。東京五輪ではチームを29年ぶりの決勝トーナメントに導いた。その後もイタリアで更なる鍛錬を続けた石川選手。今年行われたセリエAの3位決定戦ではチーム最多得点をあげMVPに輝いた。名実ともに世界のトッププレイヤーとしてパリの舞台へ。第1セットを25対20で先取する。第2セットも勢いが止まらない日本。髙橋藍も強い思いを胸にイタリア戦に臨んでいた。