小泉農水大臣の随意契約の2000円のコメが出てくることによって、市場にはコメが流れだしてきている。農業ジャーナリスト・宇都宮大学農学部・松平尚也助教によると「2000円台の備蓄米が出てきたことで、卸業者などが取り扱うスポット取引で一部の銘柄米の価格は下落している。さらに民間のコメ在庫が回復傾向にある。来月以降、新米が出ることを見越して在庫リスクを避けようとする動きがあるのでは。しかし卸業者らは高値で仕入れており、”損切り”が必要になるのでコメ全体の価格は少しずつ下がるのでは」とのこと。競争入札のコメの流通状況だが、放出された備蓄米約21万トンは先月11日現在で、中食・外食事業者に対して1万4606トン(約7%)、スーパーなどの小売店には2万7281トン(約13%)のみ流通している。おととい小泉農水大臣は「流通があまりに多層構造になっているので、なかなか現場に流れない。国民の皆さんが求めるだけのスピード感と効果が表れなかった」と話している。AIによるコメ店頭価格(5キロ)予測によると、高止まり安定(確率60%)は5キロ3900円~4250円。需給緩和(確率25%)は5キロ3600円~4000円。供給不安再高騰(確率15%)は5キロ5000円に迫る。競争入札のコメが随意契約より店頭で高値だと、小売店が卸売業者との取引をキャンセルする例もある。小泉大臣は、競争入札のコメが政府に買い戻された場合、今後、随意契約で改めて安価に売ることも選択肢にあるとしている。また小泉大臣は、残る備蓄米の一部を酒造や加工用に放出するのかについて「日本酒作りに励んでいる皆さんから『酒米が高い、足りない』という声が届いている。何かしらの対応を考えなければいけない。”加工用”で言うと、味噌とかこういった関係の皆さんからも今、影響が出ていると聞いている。こういった分野についても農水省としてできることを考えたい」と話している。