備蓄米が放出されているはずなのに店頭では価格が下がらない理由について取材。都内のスーパーでは、コメ5kgで4000円台後半。客も手が出しづらく、コメの販売量は3分の1まで落ち込んだという。備蓄米の流通ルートは落札した集荷業者から卸売業者を経て、スーパーなど小売業者に渡っている。国内最大級の精米能力を誇る卸売業者では、政府が放出した初回の備蓄米のうち40トンを入荷。広島県内の需要者向けに業務用米として出荷している。精米能力は1時間30トンだが、備蓄米の流通には時間がかかっている。流通を妨げる要因の1つは輸送の問題。備蓄米は全国の倉庫に保管されているが、どこから送られるかは指定出来ないため、遠方からの輸送に時間がかかるケースもある。消費者向けに販売する備蓄米は専用のパッケージが必要だが、業者に注文が殺到し製造が滞っているという。政府はこれまでの流通経路とは違い、卸売業者を通さずに直接小売業者に販売出来る優先枠を導入するなど新たな対策を打ち出した。