今週は、日本と米国で金融政策を決める会合が開かれる。11日と12日が米国のFRB(連邦準備制度理事会)、13日と14日には日銀の金融政策決定会合が開かれる。日銀の今回の会合では、追加の利上げをどのように進めていくかや、国債の買い入れの減額について議論を行う見通し。市場が特に注目しているのが、「今回減額に踏み切るか」ということ。日銀の国債の買い入れは、長期金利や円相場にも影響する。日銀は国債の最大の買い手で、発行された国債の半分以上を保有している。今は月間6兆円程度のペースで買い入れているが、買い入れ額を減らすと、需給の関係で国債価格は低下する一方で、金利は上昇するとみられる。そして金利が上昇すると、円で運用するメリットが生まれるため、円が買われて円安抑制になる可能性がある。市場は、日銀が今回減額を決定するのではないかという観測が出ている。BNPパリバ証券チーフエコノミスト・河野龍太郎さんは「日銀のバランスシート正常化へ向けた動きが全くないと、円安圧力が一段と高まるおそれがある。かなり高い確率で減額方針を決めるだろう」とコメント。一方で、日銀内部では「円安対策のために国債買い入れの減額を行うべきではない」といった声が根強い。金融政策は為替をターゲットにしないということが日銀法でも定められており、大原則。一度これをやってしまうと市場などに催促され、「もっとやれ」と対応を迫られるのを避けたいという思いもある。日銀は今回の会合で動くのか、決定会合後の記者会見で、植田総裁が何を話すかにも注目。