通常国会は少数与党で、異例のことが度々起きた。与党は野党と政策ごとに協議を重ね、新年度予算は初めて衆参両院で2度に渡り修正されて成立した。このうち衆議院では与党と日本維新の会が教育無償化などで合意し、修正された。年金制度改革の関連法も、立憲民主党の主張を反映させる形で基礎年金の底上げ措置を盛り込む修正が行われた。政府が提出した59の法案のうち58が成立し、成立率は98.3%だった。修正された法案は全体の約20%にあたる12本にのぼり、去年の1.7倍に増えた。野党の協力を得て成立にこぎつけるケースが増え、綱渡りの国会だったことがわかる。参議院選挙のポイントについて、与党が過半数を維持するのか、野党が阻止するのかが勝敗の目安になる。与党が仮に参議院でも過半数を割り込めば、政権運営はさらに厳しくなる。参議院選挙では物価高対策が大きな争点の1つになる見込み。各党とも給付の実施、消費税の税率引き下げや廃止、コメの価格高騰対策などを掲げており、実効性などをめぐって論戦が展開されるとみられる。さらに今国会で決着が見送られた企業・団体献金の扱いや選択的夫婦別姓の是非などをめぐっても、議論になるとみられる。