輪島市金蔵地区、今も36世帯ほどが住宅被害が大きかったにも関わらず住み続けているという。区長の井池光信さんの自宅も大規模半壊と判定されている。家のあちらこちらが崩れ、雨漏りをすることもあるが、それでもこの家で暮らし続けている。金蔵地区には500枚をこえる棚田があり、環境省の重要な里地里山に選ばれている。集落全体で維持管理を続けてきた。地震で水路などのインフラ200か所が崩壊し、何年先に田植えができるか分からないという。それでも井池さんたちは棚田を復活させたいと集落に残っている。そんな中、国の予算のあり方を議論する場では、インフラ維持かかるコストが課題になるとして、集約的なまちづくりが提言された。石川県の復興プランでは集約化については触れられておらず、被災自治体の復興計画は検討中としている。井池さんたちは独自の復興計画をつくることにした。集落中心に長く住める仮設住宅を建設してほしい、土地の所有者と交渉し無償で土地を提供してもらうことになった。しかし、輪島市の回答は対応は難しいとのこと。100年間、金蔵地区に住む竹中三郎さんは3か月前まで娘と一緒に神奈川県に避難していたが、この集落に戻りたいと意志を曲げなかった。