外国為替市場では日本時間の昨夜、1ドル155円台に突入し、その後も円安が進んでいる。きょうの東京市場で円相場は1ドル155円台半ばまで値下がりした。円安が進む背景には市場の想定を超える米国経済の強さと根強いインフレがある。米国の中央銀国にあたるFRBが早期に利下げするという観測が後退し、円が売られやすい状況が続いている。市場では1ドル155円が「政府・日銀の防衛ラインだ」との見方もあったが、この水準を超えて円安が進んだことで、市場介入への警戒感が一段と強まっている。鈴木財務相はきょうの参議院の財政金融委員会で、「市場をしっかりと今注目している。それをもとにして適切な対応をしていく思いにはいささかも変わりはない」と述べた。市場が注目しているのはきょうから2日間の日程で開かれる日銀の金融政策決定会合。企業関係者などから円安が一方的に進む状況を懸念する声が相次ぐ中で、日銀がどのようなメッセージを示すのかが注目されている。