ワシントン支局の小田島拓也記者に聞く。FRBの会合参加者による年内の利下げ想定が3回から1回に減ったということだが、これはどうしてなのだろうか。やはり背景にあるのは根強いインフレだと思う。大手チェーンのハンバーガー。値段はコロナ禍前の2019年に比べ20%余り値上がりしている。ワシントンにある店舗では、飲み物とポテトのセットでおよそ12ドル、日本円にすると1900円ぐらいになる。若い世代の間では値段が高すぎて気軽に食べられなくなったとの声も聞かれる。日本時間の昨夜発表された消費者物価指数の伸び率は2か月連続で前の月を下回り、インフレへの懸念、いくぶん和らいだが、会合の参加者たちはインフレの現状をより深刻に受け止めていることが浮き彫りになった。パウエル議長も記者会見で1つのデータだけで動こうとするのは避けたいとくぎを刺している。今後のFRBの利下げ、そして円相場への影響、これはどうなりそうだろうか。仮に年1回の利下げだとすると、11月か12月まで利下げが行われない可能性も指摘されている。パウエル議長自身は本音では景気後退を避けたいとの理由から早く利下げしたいと思っているはずだと分析する専門家もいるが、米国ではインフレがこれまで何度も再燃してきた経緯がある。FRBとしてはここで政策判断を誤るわけにはいかず、慎重なかじ取りになりそう。そうなると当面、円安圧力はかかり続ける可能性が高い状況。一方、日銀だが、きょうから2日間、金融政策決定会合を開く。歴史的な水準の円安が物価に及ぼす影響を見極めながら追加の利上げをどのように進めていくか検討することにしている。