1ドル156円台と歴史的な円安水準が続く中、日本銀行はきょうから金融政策決定会合を開く。円安にどう対応するのか。注目されるのが日銀が大量に買い入れている長期国債をどう減らしていくかの議論。日銀は大規模な金融緩和策の一環として大量の長期国債の買い入れを続け、市場に出回る資金を増やすことで景気の回復を図ってきた。現在も毎月約6兆円を購入。今回の議論で毎月の飼い入れ額を減らし、600兆円近い国債の保有額を段階的に減らす方針を決めれば理論的には長期金利が上がりやすくなり円安を食い止める方向に作用する可能性もある。しかし、為替への影響を疑問視する声もある。これよりも大きな円安の是正効果が期待されるのはさらなる利上げ。ただ、日銀内では円安が物価に与える影響がまだ見通せず、「春の好調な賃上げが給与や消費に波及することを占めるデータもそろわない」との声があり、追加利上げの方は見送られる公算が大きい。前回の4月の会合で円安が進む要因となった植田総裁の会見も重要。円安の進行をけん制することができるのか総裁の言葉も大きなポイントになる。