動物病院の院長を務める獣医師の松本泰和さんは4年前にSFTSに感染した。感染疑いがあるネコを診療した約1週間後に発熱などの症状が出て検査の結果SFTSと診断された。その後松本さんは全身の状態が悪化して入院、10日ほど意識がはっきりしない状態が続いたという。松本さんはSFTSは危険な感染症だとしたうえで正しい知識を身に着けてほしいとしている。SFTSは主に原因となるウイルスを持つマダニに刺されて感染する。マダニは屋外の草むら・畑・森の中などに生息しており、ペットが散歩などでマダニに刺されて感染し、唾液などを介して飼い主に感染するケースもある。SFTSは発熱・倦怠感などの症状が出て重症化すると死亡することもあり、厚生労働省によると国内でSFTSと診断され死亡した患者の割合は27%と報告されている。2013年に国内で初めて患者が確認されて以降年間の感染者数は増加傾向で、今年報告された患者数は135人と過去最多となっている。感染を防ぐためにはペットを草むらなどに近づけないことと自分自身が刺されない対策が必要。長崎大学病院の泉川公一教授は、野山に入るなら皮膚が露出しない長袖、防虫剤で予防をしっかりすることと話した。それでもマダニに刺された場合は、まずパニックにならないことが大切。潜伏期間が最長2週間なので途中で熱が出ないか、具合が悪くならないか気を付けて生活してほしいと話した。
住所: 長崎県長崎市坂本1-7-1
URL: http://www.mh.nagasaki-u.ac.jp/
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